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◆室内環境汚染問題   ◆建築基準法改正   ◆F☆マーク   ◆環境用語集


環境動向

今日、この地球に住むみんなが環境に対しての意識を高め、環境への配慮を心がけなければ
我々の暮らしは成り立たないと言う認識が当たり前となっています。
塗料業界でも環境改善を意識した製品の開発や各種取り組みを行ってきましたが、
今後さらに法的側面から徹底した取り組みを要求されることとなります。






 室内環境汚染問題

◆シックハウス症候群◆

住居空間における家具、建材等から発生する有機化学物質による健康被害が
大きな社会問題になっています。これが【シックハウス症候群】です。

◆シックハウスの原因◆

1.住宅構造の高気密化により、通気性がなく自然の換気量が減少している。
2.建材、家具等の仕上げ材として様々な有機化学物質が使用され、揮発し放散する。

◆症状◆

悪影響を受けた居住者の症状は、軽症で(くしゃみ・鼻炎・目脂)。
重傷になると(頭痛・ぜんそく)を引き起こすなどほとんどが粘膜や呼吸器に
異常を訴えたものです。




建築基準法改正

平成14年7月、建築基準法に【居室内における化学物質の発散に対する衛生上の措置】
と言う項目が追加されました。これは室内で規定値を超える化学物質の発散による人体への
支障がないよう、使用する建築材料や換気設備について条件設定を行うものです。
これを受けて規制対象物質とその発散数値規定の具体的内容の制令及び告示が同年末に
出され、平成157月1日年7月1日改正建築基準法として施行されることになりました。

最大の動きは、シックハウス対策のための建材関連JISが整備されることです。
規制の対象となる化学物質は、クロルピリオスとホルムアルデヒドです。
クロルピリオスを含有した材料は居室への使用が全面禁止となる一方、
ホルムアルデヒドに関してはその発散速度に応じて1種から3種まで分類されます。
第1種は、全面禁止。2種、3種は使用面積制限を受けることになります。






F☆マーク

JIS規格品で第1種ホルムアルデヒド発散建築材料に該当する塗料は11種に上がります。
しかし、これらは別途発散領分類を入れることで平成15年3月20日公示のホルムアルデヒド
規制項目を満足していれば使用可能となります。また、JIS表示とは別にホルムアルデヒド
発散量による等級区分を表示する記号として【F☆マーク】が用いられます。これは、
☆の数に応じて発散量が分かるようにしたもので、☆4つは発散量ゼロか微量で使用制限
のない材料を意味し、☆3つまたは2つは使用面積を一定にする条件で使用可能な材料となります。
またこの【F☆マーク】はJIS規格品以外でもホルムアルデヒドに関し指定機関で任意に試験を行い
国土交通大臣に申請して認定を受けた材料や日本塗料工業会による自主管理で認定された
材料にも表示することができます。


ホルムアルデヒド発散速度による等級区分
区分
ホルムアルデヒド発散速度
区分記号 使用制限
第1種ホルムアルデヒド発散材料 120μg/uh超
使用禁止
第2種ホルムアルデヒド発散材料 20〜120μg/uh F☆☆ 使用面積制限(床面積0.3倍まで)
第3種ホルムアルデヒド発散材料 5〜20μg/uh F☆☆☆ 使用面積制限(床面積2倍まで)
規制対象外 5μg/uh以下 F☆☆☆☆ 制限なしに使える




環境用語集

■環境ホルモン
動物の生態内に取り込まれた場合に本来、その生体内で営まれている
正常ホルモンの作用に影響を与える外因性の物質。

■化学物質過敏症
特定の化学物質(ホルムアルデヒド・トルエン・キシレン等)に接するだけで
起きる過敏症状。

■キシレン
芳香族炭化水素系有機溶剤。無色透明で強い芳香がある。
トルエンに類似しているが沸点が高いため、トルエンより安全性は高い。
塗料、接着剤、印刷インキなどに使われる。

■グリーン購入
商品やサービスを購入する場合に、価格や品質だけでなく環境に与える
負荷のより小さいものを優先的に購入すること。(国等による環境物品等の
推進等に関する法律)通称『グリーン購入法』が平成13年4月より施行。

■クロルピリホス
有機リン系殺虫剤。しろあり駆除剤、害虫駆除剤、家庭用の殺虫剤にも
使われている。シックハウス症候群の原因の一つとされている。

■シックハウス症候群
壁紙やフローリング、合板などの住宅建材から発生する揮発性の有機化合物
によって自律神経障害、頭痛などのような身体異常が起こるとされている症状。
医学的な因果関係は不明。

■ダイオキシン
2378TCDDを代表する猛毒の有機化合物の総称で、人工化合物の中では
もっとも毒性が高く、プラスチックの消却や紙の塩素漂白などの過程で発生する。
自然環境中では分解されにくく、発ガン性や免疫毒性による人体への影響が
問題となっている。

■地球温暖化ガス
二酸化炭素をはじめとする各種ガスを指し、太陽照射により暖められた地表から
でる赤外線を吸収し、熱エネルギーとして大気圏に蓄積する働きを持っている。

■トルエン
芳香族炭化水素系有機溶剤。無色透明で強い芳香がある。
塗料、接着剤、印刷インキなどに使われる。

■VOC(揮発性有機化合物)
最近問題になっているシックハウス症候群の原因となる物質でホルムアルデヒドが
有名。化学物質を使用した塗料や接着剤が主な発生源となっている。

■ホルムアルデヒド
刺激臭のある揮発性の高い有機化合物。壁紙やフローリング、合板の接着剤から
発生しシックハウス症候群の原因の1つと言われている。